ぼくの妻は、女医

フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ

ぼくの妻は女医 ~フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ~

妻が双子を妊娠した 〜異常事態 その2〜

妻が妊娠した事はすぐに判明したが、

双子だという診断がついた後、

妻はしばらく僕に内緒にしていた。

僕の母も、小さな娘も、

早々に双子だということを知らされたのに、

夫である僕だけ、なぜか知らされなかった。

 

その理由は、

あなたに双子だって知らせると、

 あなた倒れそうだから

良くわかってるじゃないか。

 

小さな娘も、

決して僕には双子だとは言わなかった。

…のだが、ある時期から、

やたらと娘が双子の話をするようになったのだ。

 

ねぇ、パパ。もし赤ちゃんが双子だったら、

 私はもっと料理のお手伝いするよ」

 

ねぇ、パパ。もし赤ちゃんが双子だったら、

 私がおもちゃで遊んであげるよ」

 

ねぇ、パパ。もし赤ちゃんが双子だったら、(略」

 

どうして、急に娘が

双子に興味を持ち始めたのだろうと思ったが、

娘は、赤ちゃんが双子だと知っていたのだった。

 

 

双子という事実に絶望感でいっぱいで、

しばらくは空いた口が塞がらなかったが、

逆に、何かネジが外れたと言うか、

割り切れたと言うか、

天を仰ぎながら、

もうなんとでもなれと言った気持ちだった。

もはや、ビッグダディとして

生きていく覚悟を決めたのだった。

 

子供4人である。

何から手を付けて良いのかわからない。

車の買い替え、双子ベビーカーの購入は必須。

人手も明らかに足りなくなるので、

シッターさんか、ナニーさんか、

それとも家族の誰かに住み込みを依頼するか、

そのあたりも本気で検討しなくてはならない。

急に人生ハードモードに突入した

 

せめて双子は女の子であってくれ。

男の子は手がかかりすぎる。

我が息子も、本当に元気いっぱいに泣き喚くので、

夜な夜な気が狂いそうになるのだ。

せめて女の子であってくれー!

 

 

そして、双子はふたりとも男の子だった。

男の子ーーー!!

 

(男の子だという診断がついた後も、

 妻はしばらく僕に内緒にしていた。)