ぼくの妻は、女医

フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ

ぼくの妻は女医 ~フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ~

外科医の楽しみを奪う妻

外科医が最初に執刀する胃癌の手術を

erste magen(エルステマーゲン)と呼ぶ。

このエルステマーゲンを経験して、

初めて外科医として認められる、とされる。

もちろん僕も、昔エルステマーゲンを経験した。

 

エルステマーゲンに限ったことでは無いが、

この「初執刀」の機会は、

計画的に与えられるものではなくて、

突然上司に「おまえ、やってみるか」と

チャンスを貰えることが多い。

 

先日は、腹腔鏡下幽門側胃切除術だった。

僕が執刀する予定だったんだが、

後輩はまだこの手術を経験していない。

「やってみる?」と尋ねると、後輩は

「いえ、自分にはまだ無理です」と言いつつ、

「ご迷惑をかけますが、良いでしょうか」

と、最終的には後輩が執刀する事になった。

 

指導的助手(前立ち)の僕と、

第二助手の上司と共に、手術が始まる。

部分的には、手を貸したものの、

大部分は後輩が完遂する事が出来た。

手術の時間は少し長くなったが、

安全に適切な手術が出来たと思う。

「本当にありがたいチャンスを貰いました。

 あっという間に時間が経っていました」

と、興奮している後輩を見て、

やはり、これが外科医の醍醐味だなぁと

僕も達成感を感じた一日だった。

お上手でした。

 

joiwife.hatenablog.jp

いつかの横浜の夜景

いつかの横浜の夜景

 

後輩の検体整理を手伝っていたら、

久しぶりに帰りが遅くなった。

家に帰れば、美味い日本酒が待っている。わくわく。

と思って帰ったが、日本酒は飲み干されていた。

犯人は誰だ。

(容疑者は一人)