ぼくの妻は、女医

フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ

ぼくの妻は女医 ~フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ~

妊娠10週での稽留流産③ ~出産までとその後~

稽留流産と診断された3日目

妻の状態はかなり落ち着いてきた。

ある程度歩けるようになってきたし、

このまま家にいたら私腐っちゃう

なんて言えるくらいには回復していたが、

それでもまだ肝心の胎児が産まれていない。

本番はまだ始まっていない

 

二人で過ごす3日目

妻を見守りつつ、朝食を作り、

まずは家の状態を整えることから始めた。

床やトイレ、風呂場の血を綺麗にし、

大量に消費した下着やタオル類を洗った。

洗濯機は3回は回した。

 

子どもたちのいない静かな朝。

久しぶりに妻とゆっくり話せた気もする。

忙しすぎて話題にすらならなかった

旅行や外食の話も出来た。

 

夕方には、出血や腹痛も

相当コントロールが付いてきたので、

妻の希望で、妻を車に乗せ

実家まで子どもたちを迎えに。

おいしい食事をご馳走になって、

綺麗になった自宅へ戻った。

子どもたちは元気である。

 

産まれた赤ちゃん

そして翌朝、4日目の朝

妻が軽い咳をした瞬間に、赤ちゃんが産まれた。

「はっ!今までと違う。赤ちゃんだ!」

との妻のコメント付きで。

 

救急車を呼ぶほどの痛み

と事前に言われていたのも関わらず、

痛みはそこまで強くなかったとの事だ。

もちろん、2回経産婦なので

初産の妊婦よりは楽だったはず。

 

みんなで赤ちゃんを確認し、

笑顔で家族一緒に写真を撮った。

悪くない出産であったと思う。

(医学的には流産だが、あえて出産とした)

クリニックに連れて行くまでのしばらくの間は

冷蔵庫で休んでもらった。

 

4日目の夕方、

クリニックに赤ちゃんを連れていき、

お別れの後に、赤ちゃんは病理解剖に回された。

 

なお、妻のヘモグロビンの値は1日で

10点台から8点台に下がった。

僕が輸血を考慮するのは7.0あたりなので、

まぁ事前の予想通り、輸血は不要かな…

程度の貧血で落ち着いたが、

それでも余裕で貧血の診断が付く値だ。

その後産科から鉄剤が処方されていた。

 

5日目になっても、

妻は軽い陣痛、貧血の症状は続いているが、

概ね全身状態は安定している。

最終的に、出血量は目測で2L程度だったと思う。

次から次にイベントが襲ってきたので、

流産で悲しむ間もなく、嵐のような毎日だった。

これからゆっくり思い出にしていきたいと思う。

その後も、色んなエピソードはあるが、

ひとまず、この稽留流産の話は一段落したのだった。

 

まとめ

ということで、

あくまでもこれは1家族の症例報告に過ぎず、

皆全く違う流産を経験する事だろうが、

我々夫婦は予想を超えた出血に

振り回された数日を経験した。

心の準備と対策を少しでも知っていれば

ここまで慌てることは無かったかも知れない。

この記録が、どなたかの参考になれば嬉しい。

 

joiwife.hatenablog.jp

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余談

保育園で娘が

「血だらけの赤ちゃんが産まれてきて、

 その赤ちゃんを冷蔵庫に入れたの!」

と笑顔で言ったせいで、

保育園の先生達がパニックになっていた。

危うく、どこかしらに通報されるところだった。