ぼくの妻は、女医

フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ

ぼくの妻は女医 ~フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ~

医局にいる最大のメリット

医局は面倒な事も多い。

あっちに飛ばされ、こっちに飛ばされ、

事務的な仕事も多いし、なにより薄給である。

医局なんて飛び出して独立したい!

とも思うけど、

実際には医局には良くしてもらっている方だ。

教育的な面も、研究的な面も、

本当にお世話になっている。

何人かいる教授陣も、なんだかんだ好きだ。

 

ただ、何よりも医局にいて幸せなのは、

後輩を指導できるところだ。

 

今指導している3年目の新米外科医は、

カドのあるやんちゃな女医だが、

ようやく簡単な手術なら形になってきた。

一曲ある手術だと、手が止まり、

少し手伝ってやると、悔しがる。

「やっぱり自分はまだまだです」なんて言いながら

確かに成長していく様子を

頭をぶつけながら間近で感じられるのは、

先輩としてかなり幸せなことだ。

 

次から次にやってくる後輩を指導できる。

これが、医局に所属している醍醐味だ。

 

何年か前、尊敬する外科医の一人に、

「先生、うちの病院に来てくださいよ」

と頼んだことがあるが、その先生は

「後輩の指導をしないといけないから」

と言って断られた。

カッコよかった。

 

先日、久しぶりに連絡したその先生から

「うちに手術しに来てくれないか」と頼まれた。

報酬は、1日で12万円だった。

ただ、頼まれた日は例の新米外科医との手術だった。

「申し訳ないです、後輩の指導があるので」

と断ったが、当事者になって初めて理解できた。

後輩の指導にまさる幸せはない。

 

L'Effervescenceのサラダ

L'Effervescenceのサラダ

 

しかも、幸運なことに、

僕の周りには素直で可愛い後輩が多い。

真摯に向き合っていれば、

まっすぐに成長してくれる後輩ばかりだ。

 

最近では、僕の話を素直に聞いてくれないのは

妻くらいだ。