ぼくの妻は、女医

フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ

ぼくの妻は女医 ~フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ~

妻との関係改善の為に取り組むべき課題

僕が今まで、真の愛情表現だと思って

やってきた数々の行動は、

妻にとってはなんの価値も無かったと知った。

 

安定した生活を保証して、

自分が家にいる時は最大限の家事育児をして、

子供の行事や面談にも積極的に参加する、

妻と子供を愛して将来を守る。

それ以上に、夫に必要なものなんてある?

というのが、僕の本心であったが

それ以上に必要なものがあったのである。

(しんどい…)

 

そういえば、以前読んだ

『妻のトリセツ』にも書いてあった気がする。 

ihoko.com

妻曰く、時すでに遅し、との事で、

もう今後はなんの希望も持たず、

今後数十年絶望のなかで私は生きていきます

みたいな事を「さよなら」という言葉とともに

吐き捨てられてしまった。

 

しかし、そうは言っても、

はい今後も地獄の中で一緒に生きましょう

とは出来ないわけです。

出来ないでしょう。

 

関係の改善はもう望まないから、

せめて少しでも呼吸がしやすい環境を作る為に、

自分にはどんな取り組むべき課題があるか。

妻の発言から考察するに、それは、

妻の精神的サポート妻が喜ぶイベント計画

だ。

 

もちろん、今までだって

妻の精神的なサポートしてきたつもりだし、

イベントだって頓挫することも多かったけど、

いくらか企画してきた。

 

…いや、そもそも、結婚生活に

そんなにイベントって必要なのか?

粛々と、その日その日を生きて、

小さな出来事に幸せを感じるのが

有るべき自然な結婚生活なんじゃないのか

 

という僕の意見は妻の前では無であり、

結局、「精神的サポートって具体的に何?」

「イベント計画って何すれば良いの?」

と具体的に聞いてみた。

だって本当にわからないのだもの。

 

「あれだけサインを送っていたのに

 どうしてわからないの

 努力が足りない」

などと例によって散々罵られ、

「私はもう完全に諦めているから大丈夫」

「私から修復しようなんて一生思わない」

「本当に無理だって今日わかりました」

などと、捨てゼリフを吐きながらも、

なんとか具体的な行動を聞き出した。

自分なりに整理して要点を挙げると、

 

・話を聞く、会話をする

・各ピリオドでイベントを企画する

 

まず、妻の精神的サポートに関してだが、

結局のところ、話を聞く、会話をする、である。

話聞いとるわっ!会話しとるわっ!と思ったが、

妻の言い分をよくよく聞いてみると、

まぁ確かに妻の話を最初から最後まで

真剣に聞いてこなかったと思い始めた。

 

正直に言えば、

妻の話は長くて、まとまりがなくて、

内容が無くて、結論が無いのである。

なので「うんうん」「そうかそうか」と

聞いているうちに、

「それでね、あれがね、ほにゃらら○※△□…」

みたいな感じで頭に入ってこなくなるのだ。

みんなそうだよね?男性諸君。違う?

 

で、目を見て聞いてるんだけど

焦点があっていないので

「あなた聞いてないでしょ、なんなのいったい」

みたいになるわけである。

 

さらに悪い時は、妻の話を遮り、

「むむ?それは違うんじゃない?こうしたらどう?」

などと、望んでもいない意見の否定や、

聞いてもいない解決策の提案をしたりするので、

妻としては自分を否定された気持ちに

なっていたわけである。

いや、否定しているつもりは一切なくて、

議論するのが状況を改善する唯一の方法であり、

そもそも医療に携わる科学者として、

お互いに議論を重ねて問題をあぶり出して

解決策を模索していくのが夫婦関係を改善する

理性的で論理的な方法でもあるだろうと思うわけだが、

残念ながら妻はそういうマインドを持ち合わせていないし、

こうやって伝えようとすると

また物事が悪い方向へ行くことはわかっているので

ここでやめておく

 

妻としては最低限、

「そうかー、辛かったんだね」等の相槌や、

「本当だねー美味しいねえ」等の同調を

求めていたらしい。

してたつもりなんだけどなぁ…。

確かに話は聞いてなかったけど。

 

続けて、妻が喜ぶイベント計画に関してだが、

具体的には、学位取得、専門医試験合格、

その他色んなイベンド毎に、

旅行なり外食なりケーキなりプレートなりの

イベントを計画しろとの事だ。

日程調整等も含め、スマートにやれと。

 

実際、妻は、

ここに行きたい、あそこで食事したい、

などの希望は多く、

そのリストをたまに僕に送ってきていた。

あぁ、行きたいんだろうなと思って相談するも

なかなか日程は決まらないし、

なんだかんだ仕事で忙しいからなどと断られ、

本気じゃないのかなと思っていたが、

大いに本気だったようだ。

 

で、自分は希望を伝えているのに、

そんな自分の希望を無視され続けていたから、

「私は大事にされていないのかと思った」

だそうだ。

 

話を聞いてくれないから寂しいし、

イベント大好きな私が何のイベントも無かったし、

もうつらい!!!

が妻の本心であった。

 

なるほど。

考えていることは分かった。

 

わかりました。

 

わかりましたが、

 

それを聞いた上で、改めて思うのは、

…僕にはなかなか難しい。

まぁ話を聞くに関しては引き続き頑張るとするが、

日常会話の中でサラーッと会話に挙がった

妻の行きたいお店を正確に記憶して、

日程を調整してスマートに予約するなんて

一度や二度ならともなく、日常的には出来ない。

そもそも記憶も、そういう調整も、苦手だ。

 

苦手でもやれよって意見が飛んできそうだが、

一生死ぬまで実践なんて出来ないー!!

 

そもそも、自分だって自分なりに

散々努力しての結果がこれだ。

今だっていっぱいいっぱいなのに、

これ以上色んなタスクはこなせません!

 

開き直りますが、

誰にだって、得意不得意がある。

得意な人がやった方が良い。

 

なので、

「イベントの企画は君に一任したい」

「お店と日程だけ調整して教えてくれ」

「それ以降の、予約や支払いは僕がする」

と伝えたところ、

一瞬のうちにして妻の大量の脳内リストから

店舗や旅館が選び出され、

日程の具体的な候補を提示してきた。

僕は予約をしただけ。

 

で、一瞬にして、

食事や旅行や演劇鑑賞の予定が立った。

 

つづく。