独身の同期の外科医に、
「おまえ、結婚した時はさんざん惚気けていたのに、
今は全くその時の面影がない。
一体、何があったんだ」
と聞かれた。
「可愛くて優しかった妻はどこかに消え、
今は別の妻が目の前にいるんだ」
と答えた。
特に、僕の妻は事あるごとに
僕に対して「嫌い」と言うんだが、
その事実を伝えると、独身の彼は
「そんな話聞いたら、俺結婚出来ないよ」
と落胆してしまった。
余計な事を話してしまったか…?
彼とそんな会話をしている中、
いつもお世話になっている3児の母である女性職員に、
あなたのご家庭はどうですか?と聞くと、
「すみませんが、私も先生の奥さんと一緒です」と言う。
旦那に対しては情のみが残っており、愛など無いと。
先日は、
「こんな事、他の人には相談出来ないし、
あなたにしか言えないことだから言わせて。
私はあなたのことが嫌いです!」
と旦那さんに伝えたらしい。笑った。
ただ、話を聞くと、
嫌いってのは本気の嫌いでは無いらしい。
旦那がいないと生活が回らないことは理解しているし、
旦那の苦労もよく理解しているけど、
この湧き上がる嫌いという感情は、
他人に話して発散できるものではないので、
仕方なく旦那に爆発させているとの事。
嫌いと言われても、別に離婚したいとか
そういう意味では言ってないので
落胆しないで欲しい、と。
それを聞いた僕と僕の同期は、
その場では安心したわけだが、
なんだか、安心の閾値が低くなっている気がする。