妻は、学閥だか派閥だかの関係で、
出世は望めないだろう環境で働いている。
彼女はまるで出世とかには興味が無いので、
特に不満もなく働いていたが、
冷静になって考えてみると、
これだけ業績を残して、評議員にもなり、
主要な資格も持ち合わせていて、
ただの医員扱いって、不当じゃないか?
と、老婆心ながら思った。
「さすがに、昇進しないの?」
と聞いたら、
「あ、そういえば今年度から立場変わった」
と、どうでも良いかの様に突然言われた。
部門内で、実質ナンバー2になっていた。
急な昇進すぎるだろう。
給料も上がったらしい。
大変、結構なことだ。
心からおめでとう頑張ったねと言いたい。
しかし、より一層妻が仕事に本腰を入れる事になる。
子供たちがまた発熱でもしようものなら、
僕が調整せざるを得ない頻度も増えるだろう。
夫としては喜ばしいが、
父としては辛いところ…。
と、僕に思われるのが嫌で、
出世をあえて言わなかった可能性はあるな。