郊外のバイト先での話だが、
このバイト先の病院は、設備的な問題で、
新型コロナ感染症の患者を受け入れ出来ない。
発熱と体動困難を主訴に、
半ば強制的に搬送された患者が、
やはりコロナに感染していたので、
事前の通告通り、自宅での経過観察か、
他院への転院搬送を提示した。
ただ、田舎なので、
現実的には転院搬送先なんてほぼ存在しない。
結局本人の希望も考慮して
自宅での経過観察となったが、
子なしの老夫婦で、親戚もおらず、
家に帰る足が無いという事態に
困り果てた事があった。
そもそも、体動困難となっているのに、
自宅に返すっていう選択肢を取った事にも
強いもどかしさを感じた。
なんとか車を手配し、
後部座席に押し込み、自宅に返した。
悪いことをした気になった。
ただ、こういう状況は、
超少子高齢社会に歯止めがかからない今、
この先爆発的に増えていくのは間違いなく、
この厭世感に看護師と絶望した。
選択的子なしを選ぶ人が周りにも増えている。
「老後なにかあれば、誰にも迷惑をかけず
貯めたお金で施設に入る」
と言った意見を彼らからよく聞くが、
少子化は進行するので、
そもそもお金があっても
老後施設に入るのは難しくなるし、
自分の子には頼らないが、
他人の子には頼るという考えが
通用する世の中ではなくなっていくだろう。
現場で自分には何が出来るだろうかと悩む毎日。
そんな事今悩んでも仕方ないでしょう、
それよりも早く保育園の支度しなさいよ
と怒られる毎日。