ぼくの妻は、女医

フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ

ぼくの妻は女医 ~フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ~

妻の目が死んでいた

車を運転していたら、急に妻が、

 

「あなたって、学生の頃、

 モテようと思って何か行動しなかったの?

 例えば、音楽とか、スポーツとか」

 

と聞いてきた。

 

妻の言う音楽とは、クラシックやジャズなどではなく

エレキギターとかベースとか、所謂バンドを指しているし、

スポーツも、野球とかサッカーとか陸上とか

王道のスポーツを指しているので、

いずれも僕には無縁のものたちだ。

 

その妻の質問に対し、以下の返答をした。

 

学生の頃って、女の子は馬鹿だから

走るのが速い男の子が好きでしょう。

あとは、背が高かったり、

音楽が上手だったり。

でも、年齢を重ねるごとに、価値観が変わるでしょ。

例えば、包容力があって、経済力があって、

家庭を支えてくれる人を好むようになるでしょう。

僕は学生の頃から、その真理に気づいていたから、

僕がモテ始めるのは学生が終わって

しばらくしてからだと予想出来ていたし、

特にモテようと思って行動はしなかったよ。

実際のところ、君だって、

背も高くない、走るのも速くない、

流行りの音楽にも疎い僕を選んだじゃないか。

 

と、一息に伝えた。

 

妻としては、

息子たちも、僕のようにモテない学生生活を

送るのではないかと危惧して、

僕の学生時代について聞いてきたみたいだが、

例にもよってまた僕がペラペラと

退屈な理屈を語り始めるので、

息子たちもこんなふうに

理屈屋になるのではないかという不安が追加で生まれ、

二重でげんなりしていた様子だった。

 

妻が久しぶりに死んだ魚のような目をしていた。

 

鉄板焼 匠

鉄板焼

 

追記:

別にモテなかったわけではない!