ぼくの妻は、女医

フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ

ぼくの妻は女医 ~フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ~

上品なおもちゃと、下品なおもちゃ

子供のオモチャひとつ取っても、

妻とは趣味が合わない。

 

例えば、僕の妹夫婦は、

娘が産まれた時、木でできたKAWAI製の

小さなピアノをプレゼントしてくれた。

アルミパイプが奏でる音色は上品で、

大人もつい叩いてしまいたくなるオモチャだ。

 

 

それに対して、

妻が手に入れてくるオモチャは、

なんとも品が無いのである。

 

派手な色合いの

安っぽいプラスチックで出来た

キャラクターグッズであったり、

ギラギラと光り、深みのないメロディーを

騒がしく鳴らしながら、

ガタガタと歩き回る恐竜など。

 

そして、その品の無いオモチャの方が、

意外と娘は喜んでいるのが心外だし、

妻も一緒にハシャイでいるのも不服なのだ。

 

音楽にしても、

まずはクラシックから入るのが王道だろう。

MozartのEine kleine Nachtmusikの優美さでも、

LisztのLa Campanellaの華麗さでも、

なんでも良いから子どもたちには聴いて、

感性を磨いて貰いたいのだ。

なんでオモチャから流れる

聞いたこともない安っぽいメロディーで

母娘が楽しそうに踊っているのかわからない。

 

妻に、あなたも口ずさんでみなさいよ、と言われ、

プライドを捨てて、試しに口ずさんでみた。

 

「ほらほら〜、楽しいでしょう?」

「だんだん価値観が変わってきたでしょう?」

 

と、腰を振りながら妻が言う。

僕は、死んだような目をしていたが、

妻と娘はますます楽しそうにしていた。

 

笑

いつかの休日。息子と二人で。