帰宅すると温かいごはんが待っている。
家族みんなで食卓を囲み、
子供が寝静まったら、自分の静かな部屋で、
菓子でもつまみながら酒を呑み、
撮りためていた映画を観る。
優しい妻が隣りに座っていても良い。
そんな生活を夢見て結婚したが、現実はどうだ。
ヘトヘトになりながら何とか帰宅すると、
散らかし放題、騒ぎ放題の
妻と子供たちを相手し、
バタバタと皆の分の食事を作り、
食事を作った僕は、自分が食べる暇は無く、
息子を寝かしつけ、
なぜだか自分だけ遅れて食事をし、
お風呂に入って大量の家事をしようと思うも、
身体が動かず、
気づいたら倒れるように床の上で寝ている。
早朝の、雀がチュンチュンと無く頃に、
ハッと冷たい床の上で目が覚める。
思っていた結婚生活ではない!
と、妻に正直に告白したところ、
「こんな生活も、子供が小さい今だけよ。
いずれ、子供が巣立っていって、
あなたの理想の生活が出来るわ。
今はこのバタバタな生活を楽しみましょうよ」
と言われ、まぁ…。それもそうだな。
妻も、良いこと言うな。
と思ったわけです。
思ったわけだが、
いや、やっぱりおかしい、
毎回毎回、こんな感じで丸め込まれているが、
ほとぼり冷めた頃に、妻が
「しめしめ、今日もうるさい夫を黙らせたわ」
と思っていたことが判明するんだ。
まるで、良いことなんて言って無くて、
テキトーにその場でそれらしい事言ってるだけなんだ!
知ってるぞー!!
イライラしてきたー!