ラ・マンチャの男、ファイナル公演を鑑賞してきた。
妻との数少ない共通の趣味が、
ミュージカル「ラ・マンチャの男」鑑賞。
僕は、これがミュージカルの最高峰と信じて疑わず、
すでに4回は見に行ってる。
松本白鸚はさすがに老いが隠せない。
劇場も、帝国劇場が良かった。
それでも、今回も素晴らしいミュージカルだった。
最高のファイナル公演だった。
心が浄化された。
ドン・キホーテは、
自分が遍歴の騎士だという妄想に陥り、
従僕のサンチョと共に、旅を続けるんだが、
彼には、皆とは違う世界が見えている。
ドン・キホーテは、狂人なのかどうか。
この世の真実と事実は何なのか。
それがこのミュージカルのテーマだ。
ドン・キホーテには、
道中出会ったあばずれ女のアルドンザが、
憧れの姫ドルシネアに見え、
彼女に身を捧げる決意をする。
(何度もこのミュージカルを見ていると、
この最初の出会いのシーンが一番泣ける…)
アルドンザ(ドルシネア)は、
最初こそ怪訝に思っているが、
次第に、この気の狂った老人に
心を開いて行く様子は大変見応えがある。
ベッドに横たわるドン・キホーテに、
ドルシネアが寄り添うシーンは、
涙なしには見られない。
誰しもこのミュージカルに、
自分を重ねてしまうと思う。
僕も、つい、この最期のシーンに
自分を重ねてしまった。
当然、僕がドン・キホーテで、
妻がドルシネアである。
ミュージカルが終わり、
僕も妻も、感極まっていた。
客席はスタンディングオベーション。
妻は、思い出に記念品のポロシャツを購入していた。
「やっぱり、自分を重ねちゃうよね」
と妻に伝えたところ、
「そうだね。私もあんな生き方をするんだ」
と言う。
「いいね。ドルシネアみたいに生きるんだね」
と伝えたら、
「え?違うよ。私はドン・キホーテ。
そしてあなたは、サンチョ」
妻には、皆とは違う世界が見えている。