ぼくの妻は、女医

フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ

ぼくの妻は女医 ~フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ~

超優秀な外科医が、結婚すると

外科の同期に、とんでもなく優秀な男がいる。

自他ともに認める聡明な男で、

性格もよく、しかもイケメンである。

教授からも一目置かれる存在で、

将来の教授就任は約束されている奴だ。

彼とは、たまに昼飯を一緒に食べる関係なんだが、

はっきり言って、会話の次元がまるで違う。

 

彼が話す事はとても面白く、

現在彼が進めている遺伝子治療の話であったり、

その研究で数千万円の資金調達した話であったり、

研究の成果発表で最優秀賞を取った話であったり、

近々アメリカに留学する話だったり、

とにかく世界を相手に、

医療の最先端を走っている人間なのだから、

話は面白いに決まっている。

 

それに対して僕はといえば、

昨日も妻の機嫌が悪かっただとか、

息子が朝から騒がしくて困るだとか、

なんだかしょうもない事ばかり話すので、

彼は「ああ…、そうなんだ」

くらいの反応はしてくれるが、

全く興味を示していないことは明白なので、

僕もすぐに話を切り上げてしまうのであった。

 

そんな彼が、最近結婚した。

お相手はとても綺麗な女医さんで、

しばらくして元気な男の子も生まれた。

 

すると、どうだろう。

 

なんと、この超優秀な男が、

真剣に僕に相談してくるのである。

 

「妻の、機嫌が悪いんだ」

「洗濯物のたたみ方が違うだけで怒られる」

「家に帰らないことで責められる」

「女子会の後は、特に機嫌が悪い」

「俺の母親の悪口を言い続けている」

 

などなど、僕への相談が、

もう止まらないのである。

 

さて、これらの相談に対して、

僕のアドバイスは、簡潔で正確で的確である。

今彼がいる悩みのフェーズも把握できるし、

今後、彼の奥さんがどのような変貌を遂げるのかも

予想でき、対策を提案することができる。

なぜなら、すべては僕がすでに通ってきた道だからである!!

 

そんなわけで、

彼の努力や苦悩を良く理解したうえで

彼にいくつかのアドバイスをしたところ、

彼は「さすが、大先輩の言うことは説得力がある」

と大変感謝してくれたのである。

 

日本の未来を担うこの超優秀な男と、

対等に喋ることが出来るようになった

と、しばらく僕は勘違いしていたが、

冷静に考えてみると…、

 

いや、冷静に考えるのはやめにしよう。

 

いつかのランチ

 

妻のモノマネをする夫たちの動画を見つけた。

なんというクオリティの高さ!

僕も参加したい。

 

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