ぼくの妻は、女医

フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ

ぼくの妻は女医 ~フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ~

風立ちぬ菜穂子と、我が妻との比較検討

ジブリ映画 風立ちぬ('13)は、

僕の中では、映画 もののけ姫('97)と並ぶお気に入り映画だ。

評価が分かれる映画ではあったが、

もののけ姫に匹敵する大作であると思っている。

 

しかし、もののけ姫の脚本が、

多層的で壮大なテーマを扱い、

複雑で奥深さを持ったキャラクターが

多数登場する一方で、

風立ちぬのテーマは比較的わかりやすく、

一見するとキャラクターも捕まえやすい。

あえて主人公が魅力的に映らないよう

工夫されているシーンもあるほどで、

他のジブリ映画とは少し毛色が違うように思う。

風立ちぬは、実在の人物がモチーフになっており、

ある程度のリアリズムを追求した結果なのだろうか。

 

そんな風立ちぬで、ひときわ目立つのが、

主人公堀越二郎の妻、そしてヒロインでもある、

里見菜穂子だ。

 

www.ghibli.jp

不治の病を患いながら、

妻として堀越二郎に尽くす姿は、

とても心打たれる。

線が細く、か弱く、美しい。

夫をすべて受け入れる姿は、

これが大正・昭和の女性の美しさなのか

と、当初はため息が出たほどだった。

(本当か?詳細は後述)

 

そして、僕は

菜穂子さんのような女性と結婚するんだ

と、心に決めたのであった。

 

その後、本当に僕は、

自分の菜穂子さんを見つけ、

結婚することが出来た!

めでたしめでたしである。

 

しかし、結婚して数年経って気付いた。

妻は、菜穂子さんではない…。

僕の隣にいたはずの菜穂子さんはどこへ行った。

「二郎さん。今日はお仕事どうでした?」

なんて聞いてくれる妻はおらず、

「いったい、こんな時間まで何してたのよー!」

「早くご飯つくりなさいよー!!」

などと騒ぐ妻が眼の前にいる。

 

しかし、公開から11年が経ち、

改めてこの映画を見直してみると、

少し菜穂子さんのイメージが変わっていた。

すなわち、二郎さんにただ付いていく

主体性の無い女性ではなく、

自分自身で愛する人を世話したい

仕事の成果に直結するサポートをしたい

という強い主体性・主張を持った女性であった。

映画ではその我の強さが

映画の随所にうまく表現されており、

それがまたこの映画の面白さに繋がっている。

 

二郎と菜穂子さんの間には、結局子供はできなかったが、

おそらく二人に子供ができたとしたら、

菜穂子さんも、妻の様になるんだろうなぁ

と思うと、菜穂子さんに見ていた夢から

目が覚めた気がした。

 

ふふ奈良

いつかの、ふふ奈良にて