ぼくの妻は、女医

フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ

ぼくの妻は女医 ~フルタイム医師夫婦による、4児の子育てカルテ~

妊娠10週での稽留流産② ~大量出血の始まり~

 大量出血が始まる

稽留流産と診断された翌日。2日目

 

僕は早朝から仕事があったので、

妻の体調を案じつつ、早朝職場へ行くのだが、

「生理ナプキンをたくさん買ってきて欲しい」

と朝から妻に頼まれた。

どうも出血量が増えてきたらしい。

 

羽つきの朝用と夜用の○※△□☓を…

との指示だったが、

ギョウザの話だかなんだか、良く理解できず、

コンビニの生理用品コーナーで一人困り果て、

結局、妻に電話しながら、なんとか3袋買った。

www.kao.com男性諸君、色々あって迷うが、

とりあえずこれを買うんだ!

 

そして朝9時に帰宅し、

妻にこのナプキンを渡すわけだが、

すでにナプキンでどうにかなる出血量では無かった

10分に1回ほどナプキンを替えても間に合わず、

ダバダバダバーっと、意図せずに、

手掌大の凝血塊が次から次に出てくる状況だった。

下着やパジャマは替えども替えども真っ赤で、

タオル類もあっという間に無くなり、

ついには家の廊下やトイレ、敷布団までもが

血で染まっていき、さながら

派手な強盗殺人事件のような自宅になっていた。

 

いよいよ出血のコントロールが付かず、

妻は厚く引いたタオルの上から動けなくなり、

僕は、バタバタと出血の後始末に走り回っていた。

大量吐下血を定期的に診ている血に慣れた僕ですら、

なかなかの出血量に驚いていたくらいで、

一般の、特にあまり出血を見ない男性は、

失神でもするんじゃないかと思う。

それくらいの出血量だった。

 

幸いだったのは、これだけの出血をしても、

妻は比較的元気で、

ケラケラと笑う余裕すらあった事だ。

そんな血まみれでケラケラ笑っている妻を見て、

僕ももう笑うしか無かったので

二人で笑っていたが、

いつまでも笑っていても仕方がない

 

問題は、この状況で

子供二人を全く見れていない事だ。

一人は生まれたての0歳。

一人はこれから塾に連れて行かねばならない。

無理である

 

大人のオムツ作戦

取り急ぎ、思いついたのは、

大人用のオムツなら凌げるのではないか

とりあえず、妻・子供たちを置いて、

近くの薬局にオムツを買いに走る。

妻から「やばい、すぐ帰ってきて」

なんて連絡が定期的に入りつつ、

結局3往復くらいして、

色んなオムツを買ってきた。

 

色々と無駄なオムツも買ってしまったが、

結論から言えば、夜用のパンツタイプが良い。

www.elleair.jp僕はテープタイプが良いと思って

テープタイプを買ったが、寝たきりでは無いので、

妻曰くパンツタイプの方が使い勝手が良いと。

あと、パッドタイプっていうのも

似たパッケージで売ってるんだが、

これは追加で買う分には良いかも知れない。

パンツと合わせて使うと、吸収力が上がる。

 

普段、大人用のパンツなんて一切見ないので、

いきなり買わなきゃならない状態が来ると、

完全に困り果ててしまうので、

もしチャンスがあれば、

事前にオムツコーナーを物色しておくこと

を強く勧める。特に男性諸君。

 

子どもたちは実家に送る

続けて、子供たちの件だが、

幸いにもこの日は週末。

頭の中が混乱しながらも、とりあえず実家に連絡。

僕も妻も、笑い合えるくらい落ち着いていたものの、

実家の母は、我が家の異常事態をいち早く察知し、

すぐに動ける体制を取ってくれた。

本当にありがたい。

そして実家が動ける週末で本当に良かった。

結局、娘の塾は欠席させ、

子供二人を車に乗せて、

1時間程度の実家まで送り届ける形になった。

 

その間の妻の心配事項は、

やはり大量出血によるショックバイタル。

オムツを大量に敷いた布団に妻を寝かせ、

近くには2Lのペットボトルとスマホを置いた。

飲水を十分に取ることと、

有事の際はすぐに連絡するよう念を押した。

 

子どもたちの反応

0歳の息子は良いとして、

4歳の娘は、終始落ち着いていた。

妻の大量の出血を見ながらも、

「なにかお手伝いしようか?」とか

「ママにお水持っていくね」とか

「困ったらすぐに大きな声で言うんだよ」とか

「パパ今すぐこっちに来て!」とか

今思えば、本当に頼もしかった。

もちろん、当時は走り回っていたので

落ち着いて娘を相手する余裕は全くなかった。

 

しかし、後から判明したことだが、

娘はこの出血を見て「ママ死んじゃうかも」

と思っていたらしい。

娘は早急に実家に引き渡したものの、

これが娘のトラウマにならないかは

少し不安ではある。

 

出血のコントロールが付いてきた

異常なまでの出血は、6時間ほどで落ち着いてきた

結局、大人のオムツ作戦は、功を奏した。

圧倒的に出血の管理はしやすくなったし、

洗濯物の量が減った。(これ大事)

 

妻の眼瞼結膜が蒼白になってきた事と、

立ちくらみの頻度が増えた事は、

明らかに貧血が増悪したサインではあったが、

感覚的には輸血までは不要かな

といったラインであった。

 

妻は、

「こんな出血するなんて聞いてない」

「教科書にも書いてない」

「誰も教えてくれなかった!」

などと騒いでいたが、

騒ぐくらいの元気はあったので、

その元気さには安心させられた。

 

つづく。

 

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